映画「いちご白書」・1968年にアメリカ・コロンビア大学で起きた学園闘争を
体験したジェームズ・クーネンのノンフィクションを映画化。好奇心と恋心から
学生運動に参加した政治や学生運動に関心のない学生と、活動家の女子大生の
恋愛を描き、第23回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した。
バフィ・セント=マリーや、ジョン・レノンが歌う名曲の数々がスクリーンを
彩る青春映画の傑作で、「イージライダー」や「俺たちに明日はない」などと
肩を並べるアメリカンニューシネマの代表作のひとつ。
1970年に公開され、1975年にユーミンが、バンバンに「『いちご白書』
をもう一度」という名曲を提供した。
無論、映画における学生運動と、映画公開当時の日本の学生運動は別物だが、ユーミンは、さすが天才で、うまくリンクさせた名曲を作り上げた。
2009年の夏、ユーミンのコンサートに行ったとき、MCでユーミンの口から
「いちご白書をもう一度」という言葉が、確かに聞こえて、ユーミンがこの曲を歌ってくれるのではないかと胸をワクワクさせ、会場も、同じ想いでざわついていた。
それを遮るようにユーミンは「そうじゃないんです」と前置きして「その『いちご白書をもう一度』のアンサーソングを作ったので、聴いてください」といった。
しかし、ぼくは、あくまで個人的にだが、そのアンサーソングがどんな内容の歌だったか、どんなメロディーだったか、まるで憶えていない。曲名すら忘れている。
ぼくはアコースティックギターなら、すこしだけ弾ける。しかし、かなりの偏りがあって、ひたすら、南こうせつ、伊勢正三、松山千春を練習してきた。
この間、テレビを観ていて、昔の映像だが、ばんばひろふみが「いちご白書をもう一度」をかみしめるように歌っていた。ギターを鳴らしていた。
それに感化されて、「いちご白書をもう一度」を練習するようになった。いや、練習するほど、むずかしいコードは使われていない。ただ、情感を込めて歌うことが、重要だなと思った。ひとりさみしく、しかし、ある熱く激しい情感を以て、弾き語ることが、学生運動とは無縁だったぼくの近頃の習慣となっている。