ドイツ軍Ⅱ号戦車
こどものころ、お金がなくてあきらめたけど、少し、大人になって、経済的余裕もでき、夢を成就させたとは、よく聞く話である。ところが、ぼくの場合は、大人になって欲しくなったものがそのころ買えなくて、かなりオッサンになってから、夢を成就させたものがある。
ぼくには、第2次世界大戦のドイツ軍のフィギュアをコレクションする趣味がある。
大きさは6分の1サイズで兵隊なら、約30cm。ビーグル(軍事車両)なども、6分の1である。
たとえば、タイガー戦車なら、おおまかにタタミ一畳分のスペースが必要となってくる。
ぼくには、そういう趣味がある。
あれは14年前、アメリカ軍の軽戦車M5スチュアートをホビーショップで見た。高いし、アメリカ軍だしと思って、正直欲しかったが、買うのをあきらめた。
そうこうしている間に、時は流れ、大手メーカーからドイツ軍のⅡ号戦車が発売された。それは、今、ローボードの上に乗っけてある。ドイツ軍の収集家とはいえ、アメリカ軍兵士やジープは持っていたので、むくむくと14年前のことが、頭をもたげてきたのである。
「ドイツ軍にも、敵はいる」
「あの戦車が、ほしい」。
ところが、13年前にメーカーは倒産。日本国内のショップには1台も売っていないことも分かった。
「ないとわかれば、尚ほしい」。
それで、アメリカに情報網を持つ、ホビーショップに依頼して、アメリカ全土を探してもらったら、ボストンで1台だけ、新古車が見つかった。
で、予算的に、空輸は無理。そんでもって、船便で、どんぶらこどんぶらこと、3ヶ月前後をかけて
黒船は、ジパングを目指している最中である。