秋の終わりだったか、冬のはじまりだったか・・・・・・。
初恋だったかもしれない。
いや、でも、その前に桜田淳子がいたから、そうではなかったかもしれない。
真行寺君枝・・・資生堂キャンペーン「ゆれる、まなざし」。
このひとには、ノックアウトされた。
ぼくは、何も知らない、ただのおくての高校生だった。
真行寺君枝の文字通り、おとなびた妖艶なそのまなざしにイカれてしまったのである。
たばこをくゆらす男がいて、その男の気持ちを弄ぶような真行寺君枝が交互に映る。
バックには小椋佳の「揺れるまなざし」が流れる。
たった15秒のCMでも、しっかりとドラマになっていて感嘆したものだ。
彼女が「ゆれる、まなざし」を卒業して、他のファッション誌にでるようになっても、ぼくは、しばらく、彼女の追っかけを、つづけていた。