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手塚治虫のライフワークといえば「火の鳥」だ。

漫画少年」「少女クラブ」「COM」「マンガ少年」そして「野生時代」へと発表の場を変えながら(出版社が倒産もしくは廃刊のため)、連載は続いた。

古代から、遥か未来、地球、宇宙を舞台に、生命の本質、人間の業手塚治虫独自の仏教的思想に基づき壮大なスケールで描かれている。物語の底流には、火の鳥の血を飲めば永遠の命が得られるという設定があって、主人公たちは火の鳥と関わりながら、闘い、悩み、苦しみ、過酷な運命に翻弄される。歴史上の人物が多く登場するのも、魅力のひとつだ。

物語はすべて、〇〇篇と分かれていて、発表順でなくても、どこから読んでも、ひとつの物語として成り立つように設定されている。

宇宙篇」だったか、罪を犯した報いとして、成人し、老いていくと、また、若くなり、赤ん坊になって、また、成長を繰り返すという話があったように思う。

ぼくは「不安神経症(パニック障害)」で「死」に対しては、足元がすくむような恐怖があるが、死ぬことが出来ない、永遠であることの「こわさ」を知った。

ぼくが強く印象に残っているのは「鳳凰篇」だ。

強盗、殺人を繰り返す主人公の我王が旅の途上で仏師の才能に目覚め、すべての自然、生き物に、慈しみのまなざしを投げかけるようになるが、火の鳥によって、子々孫々が受ける残酷な報いを知らされる

もう一方の主人公・茜丸は有能な仏師だったが、我王によって利き腕を傷つけられる。努力を続けて一流の仏師になった。しかし、権力にあぐらをかき、我王の過去に犯した罪を暴き出し、元々、片腕だったが、もう一方の腕を切り落とさせた。自らの権力を護った茜丸だったが、自然発火の火事で焼死する。死の直前、炎の中、火の鳥が現れ、未来永劫、人間に生まれ変われないと告げられる

たしか、こんな物語だったように思う。

火の鳥とは「永遠の命」のことである。

つまらない教科書など、破り捨てて、中、高校生の教育現場で「火の鳥」を学ぶべきである。現代こそ、それが必要な時代なのである。