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今、ウェディングソングで最も歌われているのが、中島みゆきの『糸』という曲だ。

サビの『縦の糸はあなた 横の糸はわたし』というフレーズが、特に胸に沁みるという。だが、何故今頃?という疑問がある。というのは、この『糸』という楽曲は1992年・・・・つまり、23年前に発表された「EAST ASIA」というアルバムに収録された一曲に過ぎなかったからである。同アルバムには『誕生』『二隻の舟』『浅い眠り』という人気曲が収録されていて、当時は『糸』が際立って評価されているという印象はなかった。

それに、元を辿れば、中島みゆき自身が信仰する宗教団体の教祖にあたる人の結婚を祝福するために作られた至極プライベートなバラード曲なのである。

しかし、1998年放映のテレビドラマ「聖者の行進」の主題歌に『糸』が起用され、世間の知るところとなった。ところが、ドラマで流されたのは1話から5話と最終話のみ(6話以降は『命の別名』(中島みゆきが流された)という、ある種、この曲は数奇な運命を辿った。

そして、『糸』は、長い時間をかけ、まるで、口コミのようにひとからひとへと伝えられ、JUJUや福山雅治などの一流アーティストにカバーされるようになり、今更ながらに、人々が『糸』という楽曲に魅了されたということなのだろう。

曲の成り立ちはどうあれ、名曲は名曲なのである。