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バラク・オバマ米大統領が、伊勢・志摩サミット後の今月27日に、現役大統領として、初めて、ヒロシマを訪問することが確実となった。原爆投下国のトップが、被爆地を訪れる意義は大きい。何らかの、式典は行われ、世界に向けて、大統領の核廃絶のメッセージが発信されるはずだ。うがった見方をすれば、演出的には満点だ。

ケリー国務長官が外相会議の際、被爆地を訪問し、献花し、大統領被爆地訪問の地固めをしていたが、アメリカ国内でも、大きな反発はおこらなかったこと、むしろ、フランスなどの海外メディアが好意的に報じていたことなどが後押ししたとみられる。(それよりもなによりも、ふたりのKの水面下での並々ならぬ努力が実を結んだということだ。ふたりのKとは、ケリー国務長官キャロライン・ケネディ駐日大使だ)。

アメリカの大統領の任期は8年だが、最後の1年は次期大統領選びの指名候補争いがヒートアップするので、レームダック状態だ。それにオバマ大統領のいちばんの過ちは「世界の警察官を辞める」と発言したこと。このひとことで、世界の力の均衡が見事に崩れた。しかしながら、腐ってもアメリカはアメリカで、大統領は大統領なのである。

オバマが被爆地に立って「謝罪」を述べることは100パーセントない。非戦闘員などを無差別に殺戮した責任からは未来永劫、逃れられないが、日本も、いつまでも「謝れ!」なんていえないだろう。なんか、どこかの国みたいで。アメリカのシナリオで、日米開戦ははじまったが、どういう理由にせよ、先に宣戦布告をしたのは日本なのだから。

当初、ナチス・ドイツが原爆を開発していて、イギリス・ロンドンに投下する予定だった。開発メンバーの中心は、ユダヤ人で「悪魔に魂を売るわけにはいかない」とアメリカに亡命した。原爆を投下するべきはナチス・ドイツにありと開発を進めたが、完成した時には、ナチス・ドイツは降伏していた(というか、そもそもアメリカは白人国家に原爆を落とす気などなかった)。それで、ユダヤ人開発者の反対を押しきって、トルーマン大統領が日本に原爆投下するゴーサインをだした(イギリスのチャーチルも共犯者)。理由はふたつある。ひとつめは、原爆の破壊力のデーター収集。まあ、人体実験だね。ふたつめは、対ソ連へのアピール。

しかしながら、もはや、オバマだって、「戦争を知らない子供」なのである。

余談だが、姪の子も27日、ヒロシマに修学旅行なのだが、オバマが来るってなると、警備体制は半端じゃないだろう。原爆ドームも、見学できないなあ。