今はシルバー文鳥のメロディだが、こどものころ、さくら文鳥を育てたことがある。
「文鳥がほしい!」と父に懇願したのだと思う。
ヒナのときから、なにからなにまで、小学生のぼくが文鳥の世話をした。名前はコロスケと命名した。とにかく、可愛かった。いうまでもなく、家族の一員だった。
高校3年になるころまで、生きてくれたかなあ。
厳然たる「いのちのおしまい」を、ぼくは体験した。
「いのちのおしまい」は今以て、創作活動の、もっといえば、人生のライフワークとして重く背負い込んでいる。
季節的には、ちょうど、今ごろだったと思う。
詩作するにあたって、時間軸は当然、変えてある。
文鳥のコロスケ
コロスケが
死んだ
ピッピッと
苦しそうに
二回鳴いて
小さく
はばたいて
わたしが
小学五年になった
まだ 寒かった
春の一日に
コロスケが
死んだ
かみさまが
いねむりしている
そのあいだに
第一詩集「新選組になればよかった」収録。