命のゼンマイ
ぼくの背中に
命のゼンマイを
捲いたのは
だれですか
かみさまですか
ほとけさまですか
ひとによって
長かったり
短すぎたりするのは
なぜですか
ぼくの
ゼンマイは
きっちりと
最後まで
捲き込んで
くれましたか
ぼくらは、生まれた瞬間から「死」を宿命づけられている。
ぼくは、そのあたりまえのことに20歳の時、気づき、不安神経症を発症した。
作家、宮本輝は「星々の悲しみ」で『人間は死ぬことを思い知るために、生まれてきたのだ。』と書いている。
古くから、世界中の多くの作家が、医学や宗教とは違う立場で、違う視点で「死」と対峙し、乗り越えようと画策するが、皆、答えを見いだせないまま淘汰されていった。
しかし、彼らに共通するのは「死には意味がある」と確信しているところである。
それが、希望的観測かどうか、いつか、ぼくらはその答えを知るだろう。