お盆も終わり、日常が戻ってきた。
姉たちの帰省、義母の初盆、それに初孫の誕生祝いに駆けつけてくれた多くの
友人、親戚へのおもてなしもあって、けっこう、多忙だった。
その中で、詩の文学賞に応募する原稿用紙2枚程度のシリアスな作品を2篇書いた。
まだ、手直しは必要だが。
さて、以前にも書いたかもしれないが、日々の郵便物が多い。ほとんどが、ぼく宛で
ありがたいことに詩集や歌集の恵贈だ。
見知らぬ人が9割を占める。全部読んで、感想などをお返事したいのだが、物理的に
困難な状態にある。興味を惹く作品は、今すぐ読めなくても、とりあえず、本棚に並べておくが、それも数が限られている。正直に告白すると、それ以外の献本は目さえ通せずに押し入れの奥や「ごめんなさい」と心で謝って廃棄せざるを得ないのが実情である。
今回、ご紹介する歌集「ザビエル忌」の著者八木博信氏は第45回短歌研究新人賞の受賞者であり、詩の方では、日本海文学大賞の詩部門の大賞を、ぼくと競い合った文学の仲間であり同志である。
ぼくは、ずーっと詩を書いていらっしゃるものだと思っていたが、送られてきたのが
歌集ということで、驚きながらも、興味を惹いた。
短歌と呼ばせていただいても、良いものと勝手に理解するが、敢えて、平易な言の葉で
紡がれていて作品の1首1首が読者に寄り添っていて、八木博信という人間力に触れることができる。
いくつかの章に作品が分類されているが、それぞれに現代的で、等身大で、ロマンがあって、耽美的でさえある。詩的な余韻の残る作品が多い。
ぼくは、これまで歌集といえば寺山修司の「田園に死す」しかお薦めしなかったが、
推薦本が1冊増えたようだ。
ぼくが、いちばん気に入った作品を1首ご紹介させていただく。
「わが受賞 旅情のごとしあと七日戸川京子が自殺するまで」(明日への祈り)
珠玉の1首だと思う。
ご興味のある方はこちらからどうぞ。