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先般、詩と小説は違うし、詩と短歌も違うと書いた。

それは、単にセンテンスの長短だけで、そりゃ、短い方が簡単に決まってるだろうと勘違いしてもらっては困るから、そう書いた。

1週間で書ける小説もあれば、ひと月掛けても未完成な短歌はある。

それぞれの役割、それぞれの魅力がある。

とはいえ、同じ文学である。まったく、異質なものとまではいえない。

詩のなかに小説をみたり、小説の中に短歌をみたり、短歌の中に詩をみたり。

一首の短歌が、ヒントになって、詩となり、小説となり、ひと味違う文学香を放つこともある。

たとえば、ぼくが詠んだこれらの短歌のように。

 

 

     遠い日に 父を殴りし この右手

          指の先から 朽ち果ててゆき

 

     眠れない そんな時代に 我は生き

          真夜中に聞く 亡き友の声

 

     満天の 星空の下 こどもらが

          虫取り網で 星を追う夜

 

     蝉時雨 耳をつんざく 夏模様

          あと十日後に この世にはなく

 

     母おぶる 紙ひとひらの その軽さ

          飛ばされぬよう力を込める