1966年1月2日午後7:00は、ぼくたち少年にとっては、事件の始まりの日だった。
TV特撮ドラマ「ウルトラQ」の放映開始日だった。
『これからの30分、あなたの目は、あなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入ってゆくのです』
テーマ音楽のバックに流れる、石坂浩二の名台詞である。
怪獣のオンパレードもよかったが、ぼくは、もともとの原案であった「アンバランス」系の『悪魔っ子』『あけてくれ!』を好んだが、これもまた、早すぎた名作というもので、怪獣人気には覚束なかった。
怪獣はでてきても、ウルトラマンのようなヒーローは、だれひとりとしていない。あくまでも、人間の智慧が怪獣を倒すのである。
『2020年の挑戦』という名作がある。怪獣はケムール人。2020年の「未来」から侵略してくるのだが、あと、6年半ほどで2020年になっちまう。
その時、ケムール人は、たぶん、いないだろう。どこを探しても。
(写真は逃走するケムール人)