いやあ、きのうは、夏風邪にやられてダウンしてしまった。
薬を飲んで、一日中、床に臥せっていた。
寝込んではいたが、眠れなかった。暑いような、寒いような、奇妙な感覚だった。
音楽を聴こうと思った。こんなときには中島みゆきに限ると思った。
しかし、オリジナルアルバム39枚も出している中から選ぶのは、しんどかったので、適当に真ん中辺りにあるアルバムを、選んだ。25枚目のアルバム「わたしの子供になりなさい」だった。
名曲ぞろいのアルバムだが、これは、何年も聴いていなかった。
コンポにセットして。プレイを押す。アルバムタイトル曲が1曲目。歌が流れる。
「①涙を見せてはいけないと教えられたのね そんなことない そんなことない そばにだれかいるのか次第 男には女より泣きたいことが多いから あなたが泣くときは わたしが空を見よう あなたが泣き止めば ふたりで空を見よう (もう愛だとか恋だとかむずかしく言わないで わたしの子供になりなさい もう愛だとか恋だとかむずかしく言わないで わたしの子供になりなさい)
②だれにも褒めてはもらはない石の下の石 そんな日もある そんな日もある 明日は明日のために来る 男は女には言わないことが多いから 疲れているのなら 黙って抱いていよう おそれているのなら いつまでも抱いていよう( )繰り返し。
③( )繰り返し。」{「わたしの子供になりなさい」作詞・作曲・中島みゆき}
中島みゆき定番の3拍子のバラードだが、体も心も弱ったぼくの胸に突き刺さってきた。
涙が出て、止まらなくなった。
「EAST ASIA」の『誕生』同様、中島みゆきの最大限の母性にやさしく包み込まれたようだ。
それから、しばらく床に臥せったまま、ぼくは、亡き母のことを、思い出していた。