家の近くに、レンタルビデオ店が2軒ある。TSUTAYAとUSV。
レンタルビデオが出始めた頃は、そのビデオの定価の10パーセントが1泊のレンタル料金だった。あの頃はビデオテープ自体が高い時代だった。ちょっとした映画だったら2万円くらいしたから、レンタル料金は1泊2000円ということになる。それでも、借りた。
しかし、TSUTAYAのようなフランチャイズ店舗ができたおかげで、価格はぐっと低くなった。
今ではTSUTAYAは新作2枚旧作3枚で1000円。USVでは新作5枚で1000円。
今回、ぼくがレンタルしたのは、昨秋公開されて、映画賞を席巻した映画「凶悪」である。
実在の事件がモデルとなっている。
「ある死刑囚の告発」がベースとなっている。
ジャーナリスト:山田孝之
死刑囚;ピエール・瀧
先生;リリー・フランキー
魂をえぐるような超ヘビー級の映画である。
特に、ピエール・瀧の、演技とはいえ、救いようのない悪意に、ただただ圧倒される。
地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏の10種の生命状態のことである。
この映画は人間の地獄界の生命状態をあぶりだすようにように、描ききっている。
善人面で、人界あたりをぶらぶらしている自分にも、ピエール・瀧が演じた男のように地獄界の生命を持ち合わせているのかと思うと、「にんげん」の存在意義について、深く考えさせられた。