この夏のテレビドラマはTBSがおもしろい。
他局のすべてのテレビドラマをチェックしているわけでもないが。
特筆すべきは「ペテロの葬列」と「家族狩り」だ。
「ペテロの葬列」は杉村三郎シリーズ「名もなき毒」の続編。
原作は宮部みゆき。
テーマは人間の放つ「毒」から「悪意」に変わっている。
主人公の杉村三郎は小泉孝太郎のはまり役だ。
妻・菜穂子(国仲涼子)も好感が持てて、理想的な家族像を描き出している。
印象的な台詞回しや、独特のカメラアングルも惚れ惚れしてしまう。
今作のヒロイン間野京子(長谷川京子)も謎の多い役柄で、目が放せない。
謎の老人(長塚京三)の起こしたバスジャックに端を発して、物語は進行する。
「家族狩り」は天童荒太の原作。
連続家族惨殺事件を軸に、児童心理司の氷崎游子(松雪泰子)、美術教師の巣藤俊介(伊藤淳史)、警視庁刑事の馬見原光毅(遠藤憲一)らの複雑な人間模様が絡み合う。
二作とも、とても重厚なミステリーサスペンスであるとともに、シリアスな人間ドラマでもある。
月9の「HERO」も娯楽性にとんでいて、おもしろいけれど、いかにもフジテレビって感じ・・・・で好印象が持てない。
もう一度言う。
この夏のテレビドラマはTBSがおもしろい。