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気がつくと、新年度が始まっている。

TVの画面で、入社式に臨む若者の、希望に満ちた初々しい姿が映し出され、自分にも

こういうときがあったんだなあと、感傷的になってしまった。

今では、サイレントマジョリティにもノイジーマイノリティにも属することなく、反骨精神剥き出しの人生を送っている。

本当に日々の流れは速くて、一週間が一日のように感じる。この一ヶ月は今月中の復職を目指して、日常生活に適応できるように、主治医の指示通り、リハビリに励んできた。その一環で、妻と映画鑑賞をしてきた。無論、主治医の許可は出ている。

「ウィストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男~」。

おい!日本の配給会社。『ヒトラーから世界を救った男』なんて、嘘書くんじゃないよ!ぼくが根っからのドイツ軍オタクであることを差し引いても、この嘘はひどいなあ・・・と訝る。誇大広告だよ。まあ、世界はおろか、ヨーロッパさえ救えたとは言えないのではないか。

でも、映画そのものは、よかった。首相就任からダンケルクの戦いまでの4週間を描いているだけなのだが、主演のゲイリー・オールドマンの熱演が光りまくっている。

ヒトラーと和平するのか、徹底抗戦か・・・リーダーとしての苦悩や決断の難しさをチャーチルになりきって、演じている。

歴史的には、このつづきが拙ブログでも、ご紹介したクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」ということになる。もう、DVDもレンタルされているので、時間軸は逆になるが、「ダンケルク」を観てから劇場に足を運ばれることをお薦めする。

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さて、もうひとつの見所は今作でメイクアップ・ヘアスタイリング部門でオスカーを手にした辻一弘氏の神業ともいえる、特殊メイク技術の精巧さ。

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写真左が、普段のゲイリー・オールドマン。いうまでもないが、写真右が辻一弘氏の特殊メイクで変身したチャーチル役のゲイリー・オールドマン

ゲイリー・オールドマンにこの映画のオファーがあったとき、彼はMr.TSUJIがメイクを担当しなければ自分は、この役を断らざるを得ないと明言したそうだ。

このとき、辻一弘は、映画の世界から距離を置いていたが、名優・ゲイリー・オールドマンからの熱烈なリクエストでハリウッドに復帰した。

それだけでも、なんだかいい話。

淀川長治水野晴郎にも、観てほしかったなあ。