真夜中、窓を叩きつける雨の音で、目が醒めた。
梅雨末期の大雨だ。
時計を見ると、午前1時。
さて、そこからが、どうにもこうにも眠れない。
眠気が靄のように消えてしまった。
昔は、睡眠導入剤を飲んでいたが、朝起きたときのからだのだるさが
半端じゃない。
妙な言い方だが、あるとき「睡眠導入剤を飲み忘れて」朝までぐっすり
眠ってしまったことがあって、その日を境に、薬からは遠ざかっている。
午前1時。ギターで、今尚ハマり続けている中島みゆきを弾き語る訳にもいかず、
有名どころの詩の文学賞の作品応募もはじまってることを思い出し、案を
かき集め、原稿用紙2枚程度の自信作ができそうな確信を持てたところで
朝が訪れた。
ただ、雨は激しく降ったまんま。
雨 季
降り止まない
この雨に
打たれながら
木は
木であることに
耐えている
野良犬は
野良犬であることに
耐えている
そのかたわらを
赤い傘の少女が
水溜りをはねながら
足早に
駈けていく