ターニング・ポイント / 沢田聖子 - MEG-CD
1月12日、大阪で、はじめての雪が舞った。
シンガーソングライター・沢田聖子「ターニングポイント」という
アルバムがある。アップテンポな曲が多いが、最後の曲は「雪ひとひらに」
男性目線の、静かで深い、恋の終わりの曲である。個人的にも、沢田聖子
曲では「いつか君に」と並んで、大々好きな曲。
この日の雪で想い出した。
沢田聖子イルカの妹分としてデビューするが、アイドルの全盛期で、
売り出し方が非常にむずかしかったという。
アイドルでもいける可愛さとルックスを持っていたし、自身の作る詞や曲
は独自の世界観を持っていた。
だから、アルバムも半分くらいは、職業作家の作品をうたっている。
その中でも「雪ひとひらに」は珠玉のラブバラードである。
この作品を手掛けた作詞家の中里綴(なかさと つづる)
元アイドルだったが作詞家に転向しスマッシュヒットを連発し、南沙織
「人恋しくて」など、有名曲も多い。
しかし、1988年3月、音楽プロデューサーだった元夫に惨殺されて、
36年の生涯を閉じている。
 
 
   ひとひらに        
                  作詞:中里綴 作曲:西岡たかし
 
 雪ひとひらの冷たさに
 君の手のひら 想いだす
 冷たいねって言うと君は 
 心が熱いからって 笑ってた

 女の20歳前後の移ろいは
 僕など ついていけないほどのスピード
 君が綺麗になればなるほど
 僕はなんだか寒かった
 別れのベルを 聴いていた

 雪ひとひらに 誘われて 
 ショーウィンドウ みつめても
 君の好みの 服も靴も
 今の僕には 何もわからない

 女はひと足先に 大人びて
 涙もほほえみに包み込むミステリー
 サヨナラ告げた 君の唇
 椿のように 朱(あか)かった
 背中で雪が 舞っていた

 一年経った 今ではきっと
 君は誰かの 恋人だろう
 もうそれぞれの プライバシー
  
 ただ偶然に 会いたい