YAMAHA FS-820BL
3本持っているアコースティックギターの中で、最もぼくが
馴染んでいるYAMAHA FS-820。
FSシリーズは、通常のアコースティックギターよりも、ボディが
やや小さめで扱いやすい。
「Fコード」
ギターを上から見たところ。何フレットの、何弦に
どこの指で押さえるのかを図で表している。
ギターを志したひとのうち、およそ、半数がこの「Fコード」の壁を
克服できなくて、ギターを弾くことを諦めているというデーターがある。
「Fコード」は、たしかに、むずかしいけれど、最初から押さえられるひと
なんていない。毎日、毎日、何時間も練習して、数ヶ月かかって、ようやく
押さえられるコードだ。イメージの力も大切だ。
図で見ると、1Fの6弦から1弦を
人差し指1本で押さえることになっていて、初心者は、まず、ここができない。
でも、押さえられなくて「当然」、それは「自然」なことだ。
たしかに、多少の握力と多少のコツは必要だが、それは、練習を繰り返して
はじめてわかることだ。
しかし、よく見ると2Fの3弦、3Fの4弦5弦は押さえているので、
1Fでは3,4,5弦は押さえなくてもよいということになる。
人差し指で全部の弦を押さえなければならないという考え自体が間違いで、
挫折者を量産しているいちばんの要因である。
ということで、こういうやり方もある。
省略形の「Fコード」
これだと、大部分のひとが、Fの強迫観念から、解放されるはずだ。
1,2弦を同時に押さえるのが、むずかしいというひとは、1Fの1弦は開放弦
でもかまわない。(フィンガー奏法では不具合が生じる楽曲もあるが)
ストロークでは、4弦、3弦あたりを狙ってピックをあてればいい。
しかし、この省略形は、あくまで、「Fコード」を克服してから、あるいは、
半年以上頑張っても、「Fコード」を押さえられない場合につかってほしい。
「Fコード」は難解コードの序の口で、本格的に弾けるようになれば、
克服しなければならないコードは山ほどあるからね。
ぼくの場合、握力自体が女性の全国平均の握力値を、かなり下回っていたし、
先天的にひとよりも、手のひらがちいさい。
(握力だけの問題ではないが)握力を鍛えるためにお風呂やバケツの水の中で
グッパーを100回を1日3セット自分に課した。
Fコードの練習はするが、同時にFコードの出てこないフォークソングの名曲を
何曲かマスターしておいた。そうするとFコードへのこだわりが薄らいで、
気持ちに余裕ができた。
でも、なによりも、大切なことは上手くても、そうでなくても、楽しんで
練習すること、ハッピーに弾き語ること。
深夜、ひとりの部屋で、ちいさくちいさく好きな曲を弾き語る。
何となく、歌も上手く聞こえるし、イヤなことも吹っ飛んでいく。
愛おしくて、ギターを抱きしめる。ギターは時として、人肌よりもあたたかい。