「クィーンズ・ギャンビット」
年末年始、創作活動の合間に、Netflix、Huluなどのネット配信の海外ドラマを何作品か観た。もう、映画館で観る時代ではないのかなと、そんな、さみしいことを思った。
それはそれとして、飛び抜けて、よかったのはNetflixオリジナル「クィーンズ・ギャンビット」。1シーズンのみのリミテッドドラマシリーズ。
1950年代のアメリカケンタッキー州の、とある児童養護施設で、人並外れたチェスの才能を開花させた少女が、薬物、アルコール依存症に苦しみながら、チェス界という男社会と闘いながら、仲間の応援もあって、スターへの道を歩んでいく。全米チャンピオンとして、冷戦期のソ連に乗り込み世界チャンピオンとの対局に臨む。
物語は至極単純なのだが、惹きつけられる魅力があった。
全編チェスの専門用語やチェスのシーンであふれているのにもかかわらず、たとえチェスのルールがわからなくてもまったく気にならない。それは心理描写にフォーカスし、その描写のひとつひとつを計算された繊細なカット割りで視聴者の魂に染みこんでくる。
特筆できるのは主人公の天才チェスプレイヤー、ベス・ハーモンを演じたアニャ・テイラー=ジョイという女優さんの目力とその美しい輝き。
これは近年、稀に見る超お薦めの海外ドラマだ。
あとは、印象に残ったドラマ、観て損はないドラマ。(主観的なものです)。
「ホーンディング・オブ・ブライマナー」
オブ・ヒルハウスの 後発のドラマ化。出演者は重なるが、関連性はない。全く別の話。
ホラー度から言えばヒルハウスの方が上だが、美しささえ感じるホラー。
演出も洗練されている。
「ザ・ホーンディング~オブ・ヒルハウス~」
最強のホラードラマ。観るべし!
「殺人を無罪にする方法」
アナリーズ・キーティングは最強の黒人女性弁護士。法廷で無罪を勝ち取るためなら、手段を選ばない。彼女が受け持つ実習生らも、複数の殺人事件に巻き込まれていく。
このドラマでは、色濃く今なお無くならない人種問題を扱っている。
複数の時間軸が同時進行する、斬新な手法も見逃せない。
主演のヴィオラ・デイヴィスは本作でプライムタイム・エミー賞の主演女優賞を受賞している。