山口百恵さん伝説のコンサート 30日午後、NHK総合で放送 育てた ...
あのNHKでも「NHKスペシャル」と「国会中継・衆参院予算委員会」は欠かさずに観るようにしている。そして、1月30日、そのNHKが地上波として、初めて「山口百恵引退コンサート」を放映した。すっごい太っ腹!以前はBSプレミアムで放映されて、大好評だったため、地上波放映に踏み切ったらしい。
山口百恵は「スター誕生」の出身で、オーディションで審査員の故・阿久悠に「だれかの妹役だったら、今すぐにスタジオでカメラを回せる」と評されたことに、ひどく傷ついて、デビューから引退まで、一曲も阿久悠作詞の曲はない。(サンミュージックと組んだ映画「初恋時代」の歌唱を除く)。山口百恵が、頑として阿久悠を近づけなかった。
デビューからしばらくは千家和也、都倉俊一コンビの楽曲が多く、背伸びした女の子像を歌って、まさにアイドルだったが、どこか、醒めたところとか、憂いのある瞳があって他のアイドルとは一線を画していた。そういうところも魅力のひとつだった。
阿木燿子、宇崎竜童のコンビの楽曲を歌ってヒット曲を連発するが、その頃にはもう、
ひとりの少女が「歌手・山口百恵」を演じているようだった。
才能のある抒情的なフォーク詩人の作品にも恵まれた。
さだまさしの「秋桜(コスモス)」。谷村新司の「いい日、旅立ち」。
大地に根を張ったような、力強い生命力。ある種の凄み。歌唱力。美貌。そのすべてがプロだった。
アンコールの「さよならの向こう側」が終わって、舞台にマイクを置いて、去って行く姿は印象深い。歌手・山口百恵から、ひとりの女性に戻った瞬間だと思う。
山口百恵の映像を知らないひとは、今回のTV放映を観て、すこしは腰を抜かしたひともいたかもしれない。こんな歌手がいたんだと。
令和の時代に入っても、彼女の芸能界復帰を望む声が多いとマスコミはかき立てる。
でも「ばかやろー!」だれが、60才を超えた百恵ちゃんに戻ってきて欲しいと思ってんだよ。みんな、百恵ちゃんを好きだった、何かに青春を賭けることができたあの頃の熱い自分自身に会いたいだけなんだよ。みんな、戻りたいんだよ。
ジュンペイ(桜田淳子)派のぼくがこんなこというのも、何だけどね。