NUDE MANf:id:tigerace1943:20210702163331p:plain

1982年7月21日発売、サザンオールスターズ5枚目のアルバム「Nude   Man」に収録されている『夏をあきらめて』は、ひと月半後の9月5日、研ナオコのシングルとして発表され大ヒットした。研ナオコの醸し出す、けだるさ、声を絞り出すような歌唱が、何とも、切ない。

アルペジオ半分、ストローク半分の印象的で美しいイントロと、歌部分は多少、人差し指と小指を器用に操るコードの押さえ方と変則的なストロークがミソで、練習を重ねに重ねれば「夏をあきらめて」、この美しい楽曲が手に入る。

サザンはノーカポ、研ナオコは4カポでオリジナル音源だが、練習は5フレットにカポをすれば、早く憶えられるよ。

話しが逸れてしまった。

 

サザンバージョンは、セルフカバーとしてアルバムに収録された。

桑田佳祐には、珍しい、哀愁に満ちた叙情詩だ。

 

        夏をあきらめて

                    

                  作詞・作曲:桑田佳祐

 

 波音が響けば 雨雲が近づく

二人で思いきり遊ぶはずの on the beach

きっと誰かが恋に破れ

噂のタネに邪魔する

君の身体も濡れたまま

乾く間もなくて

胸元が揺れたら しずくが砂に舞い

言葉も無いままに あきらめの夏

 

※Darlin' Can't You See?

I'll Try To Make It Shine

Darlin' Be With Me!

Let's Get To Be So Fine※

 

潮風が騒げば やがて雨の合図

悔しげな彼女とかけこむ Pacific Hotel

うらめしげに ガラスごしに

背中で見てる渚よ

腰のあたりまで 切れ込む

水着も見れない

熱めのお茶を飲み 意味シンなシャワーで

恋人も泣いてる あきらめの夏

 

(※くりかえし)

 

岩陰にまぼろしが見えりゃ虹が出る

江の島が遠くにボンヤリ寝てる

このまま君と あきらめの夏

 

 

恋人同士が、海に遊びに来るが、あいにくの雨模様で貴重な夏の一日を楽しめず、夏を見送る、簡単に言えば、そういう歌詞だ。別れの予感も見え隠れする。

ただ、桑田の歌詞はむづかしいというか、奥深い。

正解というのはないのでは?という気もする。

研ナオコの魅力が、けだるさ、せつなさであれば、サザンバージョンは、原坊の美しすぎるハモりの部分かな。これは、トリハダが立つような感動を覚えた。

 

ギターを教えてる生徒に、サビの英語歌詞の意味を問われることがある。

Darlin' Can't You See?

I'll Try To Make It Shine

Darlin' Be With Me!

Let's Get To Be So Fine

 

ねえ、ダーリン 分かってくれないの?

この次は、きっとうまくいくわ

私と一緒にいようね

ずーっと最後まで…ね

 

直訳すればガチガチの改まった文章になる。

日本語の歌詞から、読み解くと、このような感じになるのではないかと。

ただ、ぼくの英語の読解力は、この程度のもので、もっとセンスよく訳せる方にお任せしたい。

 

英語歌詞は、おそらくは、女性目線で、脆さはあるが結構、気の強い積極的な彼女。

対する彼は、少し気弱で温和しい性格かな。別にプロファイルしているわけではないが。

しかし彼からすれば、本命の彼女ではない、というのも読み取れる。

このあたりは、桑田らしいと思うが・・・。

 

去年の夏も、今年の夏も、この歌とは違う意味で「夏をあきらめて」

だよね。