『石の繭  警視庁捜査一課十一係』は、麻見和史による日本の推理小説如月塔子(きさらぎ・とうこ)と彼女が所属する警視庁捜査一課十一係の刑事たちを主人公とした警察小説シリーズ『警視庁捜査一課十一係』の第1作として講談社ノベルスより2011年5月に刊行、『石の繭 警視庁殺人分析班』と改題し講談社文庫より2013年5月に文庫化された。

如月塔子は警視庁捜査一課の新人刑事。新橋の廃ビルの地下室で発生した猟奇殺人事件の捜査を巡る知能犯と警察の攻防を描く本格派ミステリー。

WOWOW「連続ドラマW」枠にて、木村文乃主演でテレビドラマ化され『殺人分析班』シリーズ第1弾として『石の繭 殺人分析班』と題し2015年8月より放映された。

木村文乃、共演の青木崇高渡辺いっけい他俳優陣の名演好演と、クオリティの高いストーリー性に、魅了される。

監督は数多くの刑事ドラマ演出経験のある内片輝、脚本は『舟を編む』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作

木村文乃が刑事を演じるのは本作が初めて。主人公である塔子の原作での小柄で華奢なイメージに近づけるため、あえて普段より1サイズ小さい7号サイズのスーツで撮影に臨んだ。

如月塔子は、警視庁本部に勤務する新米の女刑事である。刑事であった亡き父の遺志を汲んで警察に就職し、念願がかなって捜査一課に配属された。相棒を組む、主任の鷹野秀明の下で「刑事」の自覚、「刑事」の覚悟を学んでいく。新橋4丁目の甲進ビルで、肩から下をモルタルで固められた男性の遺体が発見される。翌朝、捜査本部に犯人を名乗る男から電話がかかってきた。相手が如月塔子を指名してくる。

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〈トレミーと名乗るその男は、警察を愚弄・挑発する。捜査を続ける塔子らは、芝公園2丁目の元中華料理店の調理場で、頭部をモルタルに沈めた遺体を発見する。〈トレミー〉はその後もたびたび捜査本部に電話をかけてきて、殺人に関する情報を提示しながら捜査本部に揺さぶりをかけ続ける。

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〈トレミー〉とは、モルタルを固める「トレミー工法」が名前の由来。

不幸極まる人生を送ることになった〈トレミー〉にも、盛んに同情を禁じ得ない。


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2階建ての民家の玄関先で、木内久司の変死体が発見される。屋内のほとんどの部屋は、壁や絨毯、家具の至るところにラッカースプレーが吹き付けられ、真っ赤に染まっていた。この殺人事件は略称「木場事件」とされ、深川署に特別捜査本部が設けられる。

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如月塔子ら十一係は捜査を開始するが、同じ日に都内3箇所で連続爆破事件が起きる。日本革命的協同武装戦線と名乗るグループから犯行声明が出され、大量の捜査員が丸の内署にある爆破事件の特別捜査本部に投入される。捜査一課長の神谷も、管理官の手代木に木場事件の捜査会議を任せ、丸の内署に詰めることになる。

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塔子たちの木場事件の特別捜査本部には増員が見込めない中、杉並区の民家で、会社員の堤宗一が殺される第2の殺人事件が発生してしまう。そして、塔子の近くにも爆破事件の危険が迫っていた。

駅に仕掛けられた大型爆弾を如月塔子が死刑囚・トレミーの協力でスマホごしに爆弾の配線を解除していく下りは、秀逸だ。最後の最後に死刑囚・トレミーを信じた、如月塔子の人間力に心打たれる。

如月塔子も、もはや、警視庁捜査一課十一係の押しも押されもしないエースに成長している。

不動産会社社長の天野秀雄が何者かに殺され、如月塔子ら捜査一課十一係は捜査を開始する。自宅で見つかった遺体は喉を切られ、そこにブルーデージーという青い花が4本挿してあった。妻の天野真弓の姿はなく、警察は真弓が何らかの事情を知っていると考え、行方を探そうとする。

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だが、新聞社に自分が天野秀雄を殺したという犯行声明のようなメールが届く。差出人はクラスター16と名乗り、メールに添付された写真には拉致された真弓が写っていた。メールには真弓は西東京の北部にいると書かれていたが、範囲が広すぎて居場所を特定できない。まもなく真弓は、西東京の公園でローズマリーの花と共に遺体で発見される。

次にクラスター16が狙ったのは、塔子の相棒の鷹野秀昭だった。クラスター16は鷹野を襲撃し、負傷した鷹野は捜査から外れることになる。塔子は十一係のエースである鷹野がいない状態で、事件の解決を迫られる。

       (あらすじについては、一部、資料を参考にしています)

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テレビドラマ版オリジナルキャラクターの法医学者・相羽町子(演:菊地凛子が追加され、近く鷹野が捜査一課十一係から公安部に異動するという設定に改変されている(原作では異動の話は出ていない)。第5話の後半から最終話にかけては、テレビドラマオリジナルストーリーとなる。

相羽町子役の菊池凛子の解剖狂サイコパス。怪演は見所の一つ。

「蝶の力学」とは「バラフライ・エフェクト」(バタフライ効果)とも呼ばれ、ほんのささいな蝶のはばたきがきっかけで、台風を巻き起こすような事象に発展することを意味する。

余談だが、シーズン2「水晶の鼓動」で犯人の〈トレミー〉から、如月塔子の名前の由来を訊かれる場面がある。

小説では「10日生まれだから」と答えているが、ドラマでは「両親がはじめて出会ったのが東京タワーだから」という設定に変えられてある。

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最後に、女優・木村文乃さんの大の「推し」であることを、ここに告白して、今回の記事を終えたい。