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松山千春のアルバムを聴いて、もの想いにふけっていた。

 

1981年発表の松山千春「時代(とき)をこえて」は大のお気に入りのアルバムである。千春のいう起承転結の「承」の時代の「浪漫」「木枯らしに抱かれて」と並ぶ3部作のひとつである。アルバムは、もちろん、オリコンチャート1位を獲得した。名作ぞろいのアルバムだが、ぼくは『限りある命』という歌が好きである。命に突き刺さってくる究極のラブバラードで、ぼくも、友人の結婚披露宴などで、この歌をアコギで弾き語ったことがある。

 

2016年秋のコンサートツアーで、千春は2度目のアンコール曲、つまり、ラスト・ソングとして、『限りある命』を歌った。

『時のいたずら』『季節の中で』『大空と大地の中で』「長い夜」『銀の雨』『純~愛する者たちへ~』『人生(たび)の空から』などの大ヒット曲や人気曲などを歌って、会場は総立ちになる。

ただ、個人的には、ここ20年、歌は作り続けているが、ヒット曲に恵まれていないのが気掛かりだ。なにも、千春だけの問題ではないけれど。

あたらしいアルバムの中からも、何曲か歌っても、ぼくの胸にはいってこない。良作ではあるが・・・・・・まあ、千春らしいよな、とは思うことにしている。

MCも千春ワールド炸裂なんだけど、いつもの政治的、思想的な話は一切なかったので「あれっ?」と感じたのも,ぼくひとりではないだろう。

そしてラスト・ソングの『限りある命』。前奏が流れ、千春が今宵、最後のステージに立つ。

会場のファンに向って「人生に見返りを求めないでください」となんども繰り返して、歌に入った。

「♪ もどらない若い日を 貴方と生きる

  奪いあい求めあい 重ね合う心

  もう何も迷わない おびえたりしない

  さしのべた指先に 貴方がいる

  この愛は貴方だけ 限りある命

  青春を流れゆく 時にあずけようと ♪」

 

間奏の時、千春はマイクを持ったまましゃがみこんで「うおーっ」と腹の底から何かを吐き出すように大声で、声の続く限り、雄叫びをあげた。

 

「♪ 悲しみが苦しみが はかなささえも

  愛される喜びに つつまれてしまう

  傷ついて疲れ果て 力つきようと

  二度とない人生を 貴方に生きる

 ※この愛は貴方だけ 限りある命

  青春を流れゆく 時にあずけようと

 

   ※Refrain           ♪」(作詞・作曲・松山千春

最高の『限りある命』だった。この一曲を聴けただけでも、コンサートに来た甲斐があった。千春は健在だ。

ぼくが20歳で不安神経症に罹り、眠れない闇の中で、毎晩毎晩、千春の歌を聴いて、光も見出した。

千春と同じ時代を生きれたこと、ぼくは誇りに思う。