【TVCM】D-room「朝」篇

 

f:id:tigerace1943:20180301182313j:plain

ダイワハウス D-room

 

「リッチでもないのにリッチな世界など分かりません。ハッピーでもないのに

ハッピーな世界など描けません。夢がないのに夢を売ることなどは、とても・・・

嘘をついてもバレるものです」という有名な遺書を残して37歳という若さで、

この世を去ったのは「CM界の黒澤明と呼ばれた杉山登志だ。

ぼくが業界に首を突っ込んだときには「伝説」になっていた。

杉山がTVCMで手掛けた作品を観て、特に資生堂のCMは芸術的だったし、何か、こっちまで胸がドキドキするような物語があった。「図書館の端っこの席で美少年が、離れた席のひとりのおとなの女性だけを見つめている。女性はそのことに気づきながら、少年の心を弄ぶようにおとなの女っぽさを振りまいている」。このCMが彼の遺作じゃなかったかなあ。たった15秒、30秒の中にドラマがある。

www.youtube.com

TVを観るとき、業界にいた頃の癖が抜けきれず、番組よりも合間のCMを真剣に観てしまう。近年、ぼくが好印象を受けているのはダイワハウスかな。D-room「サボテンを育てる男」シリーズは、ほほえましい。上野樹里中村倫也の好演によるものだが、「好きな人と、こういう部屋に住みたい」「こういう朝をふたりで迎えたい」と本気で思わせる。今のところ、ぼくの中ではNo.1のCMだ。

所詮、CM自体が虚構の世界だ。CMどころか、あたりを見渡せば、人生は虚構に満ち溢れている。だから、杉山登志さん、あなたは死ぬ必要がなかった。

ピュア過ぎたんだろうね。でも、死んだら負けだよ。