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日中、残暑が厳しい。とはいえ、朝夕は、ずいぶんと過しやすくなったし、季節は少しずつだが、秋へと舵を切り始めているようだ。
8月の後半は、依頼された詩や、応募する詩を書くために、ほぼ、家に缶詰め状態だった。
後半の4日間で原稿用紙2枚程度の詩を5篇書いた。
ぼくの場合は、ひとつひとつ仕上げるのではなく、5篇だったら、5篇同時に取り掛かる。テーマや、応募先の違う作品をかき分けていくということになる。
それでも、今回は2日間で書き上げていて、残りの2日で徹底的に原稿をチェックする。「もっと、胸に迫る表現はないか」とか、とにかく、病的なまでに、徹底的に詰めてゆく。頭の中が、空っぽになったら、それ以上は、考えない。
「俺は最善を尽くした」と自分に都合のいいように言い聞かす。
その時の作品に関連して、取材というほど、大袈裟なものではないが、車を転がして、日本海を見に行った。
酷く荒れていて、空も鈍色だったが、妙に心が安らいだ。
海が、呼ぶ。
海が呼ぶ
ぼくの名を
呼ぶ
なつかしい
響きで
海が呼ぶ
時に
波は
亡き恋人の
ひとがたをして