いのちの宿題

 

不意に 母の余命を

告げられる

 

延命治療は

希望されますか?

と 母の担当医は訊く

 

ぼくの顔色は 

みるみる

青ざめていく

 

無防備なぼくに

ある日 突然に

いのちの宿題を

突きつけられる

 

 

ずいぶんと前の詩だ。

4冊の詩集には、未収録だ。

同じタイトルで、ふたつの詩が出来上がってしまった。

もうひとつの詩の内容は、ダイレクトに生と死の本質(ぼくなりの)を描いたが、本作はいつ、だれにでも起こりえる生と死の日常風景を描いた。

平明なセンテンス(文章)の中に、悲壮感やいのちの重さを、少しでも感じ取っていただければ、作者としては救われた思いがするものである。